ドンペリ風呂に入って死にたい

躁鬱I型アラサー腐女子の役満日記

劣等感について

N氏から急遽夕食の誘いを受けて街に出る。静かな部屋でひたすらテキストと向き合っていた昼間とは異なる騒がしい人混みに、いまいち馴染むことができない。帰りの車内、婚活という単語を声高に叫ぶ二人連れの女性、ポケモン魔女の宅急便の仮装をしたカップル、天敵とも呼べる人種で溢れている。スマホを見て、今日がハロウィンだったことに気がつく。我が家のリビングでは、祖父の遺影の前に百合の花が生けてある。昨日が命日だったのだ。

N氏との会話はやはり慣れない。私の根底に酷いコンプレックスがあって、それを誤魔化そうと口ばかりが上滑り、空回っている。そのコンプレックスは確かに仕方ないものかもしれないが、休職という事実が仮になかったとしても結局何かしら口実を見つけて悲しみを弄んだのではないか、そんな気がする。

毒のような水割を飲みながら、果たして私にはこんなことが許されるのかしらと思う。N氏は悲劇に浸る私をネタとして昇華しようとしてくれている。海老がいつの間にか二人の合言葉になった。海老はありがたい。N氏の優しさに完全に甘えている自分がいる。

海老とは、Nと私の間での数少ない取り決めのひとつだ。Nは今まで雄大な自然に触れ続けてきたせいかかなり寛容な男で、私が他の男とサシで飲もうが、cockとかめちゃくちゃ下品な言葉で盛り上がろうが、おっさんにレイプしたいと言われようが穏やかに微笑んでいるジェントルマンであるが、そんな彼の数少ない要求が、「無闇に謝らない」というものである。謝りたい時にはかわりに海老のスタンプを送ることになっている。多分まだ付き合いたてで、二人ともふわふわしているからこんなしょーもない取り決めが成立しちゃったんだろうなあ。

 

 

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