ドンペリ風呂に入って死にたい

躁鬱I型アラサー腐女子の役満日記

隔離室詳細

畳四畳ほどの広さの個室。

リノリウムの床、金属製の扉。扉は施錠されている。扉の反対側に鉄格子があり、その格子の先に窓が見える。格子と窓の間が通路になっており、看護師が巡回する。扉にも覗き窓がある。覗き窓にはカーテンがついているが、外側についているのでこちらではどうすることもできない。床も扉も壁も全てが陰鬱な色をしており、照明の弱さも相まってとにかく薄暗い。

室内に便器があるが、仕切りがないので死刑囚の独房よりも悲惨さは上だと思う。便器横のセンサーが赤く光ると水が流れる。洗面台はない。その代わり壁に四角い凹みがあり、手をかざすと水が流れるようになっている。仕切りがないのも洗面台がないのも自殺防止のためだろう。

監視カメラはないが、天井に集音器があってそれによって監視されている。

周りも隔離室ばかりで、ファンキーな人が多いのでしょっちゅうペック(患者が暴れているけど一人では対処できないので、看護師はみんな来てくださいっていうヘルプコール)のゴタゴタを覗き窓ごしに眺めることができる。ペックは火事場の野次馬的な感じで、閉鎖病棟における数少ない娯楽の一つである。

部屋に話を戻すと、私物持ち込みも入浴も許可が下りないことにはどうしようもないため、小汚いホームレスみたいになるしかない。私はパンツが修復不可能になったので捨てた。また、やることがとにかくなくて、室内に入院の契約書類しかなかったので、私はそれをちぎってひたすら鶴を折っていた。私物持ち込み許可までは、そのちっさい鶴かペックを眺めて時を過ごした。

 

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